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サイテックジャーナル
2000年8月7日号


実践! 中古パソコンを買う


 ご存じのように,広く一般的に使われているパソコンには,いわゆるWindowsパソコンとMacintosh(以下,Mac)があります。サイテックシステムのお客さんの多くはWindowsパソコンを使っていますが,中にはMacを使っているお客さんもいます。最近Macを扱う仕事が増えてきたので,いろんな設定等を実験するためにMacを1台買うことにしました。購入するMacは実験用なので高性能である必要はありません。とりあえずひととおり動けばいいのです。そこで,できるだけ安くすませるために,中古品を探すことにしました。

 中古品を探す前に,まず今まで発売されてきたMacについて調べ,購入する商品の候補を決めることにしました。Macを使っている人はMacに対して非常に愛着を持っている人が多いようで,ヤフーなどの検索エンジンで調べると,Macを紹介しているホームページは簡単にたくさん見つかります。中にはちょっと危ないんじゃないかと思うくらいMacに惚れ込んでいる人もいるようです。Macってそれくらい魅力があるんですね。

 ホームページや本で調べた結果,購入する商品がだいたい決まりました。いよいよ中古品探しです。中古パソコンを買う方法として,以下の3つを考えました。

  1. 中古品ショップ,リサイクルショップに行って買う
  2. ネット通販ショップで買う
  3. インターネットオークションで買う

 中古品ショップ,リサイクルショップに行くと,商品に関する情報を手に入れられるというメリットがあります。特に専門店は,その商品に関する詳しい情報を持っています。中古品を買う場合には,使えるソフトウェアに制限があったり,商品ごとに増設メモリの種類や増設方法が違ったりするので,商品に関する正しい情報を入手することが大切です。これらの情報を入手するには中古品ショップに行くのが一番でしょう。

 といっても,近くに中古品ショップがあるとは限りません。そんな場合は通販などを利用することになります。検索エンジンで検索すると,中古品を扱っているネット通販ショップが見つかります。大きなところから小さなところまでたくさん見つかりました。あとはショップ選びです。ネット通販についてはサイテックジャーナルでも何度も取り上げていますが,信頼できないところにお金を送って商品が届かないという詐欺事件が増えているようです。自分の責任で信頼性を確認する必要があります。

 最近はインターネットオークションも盛んです。例えばYahoo!オークションhttp://auctions.yahoo.co.jp/)で欲しい商品の名前を入れて検索すると,たくさんヒットします。商品の写真が載っていることも多いので,商品の状態をある程度知ることもできます。また,出品者に質問することもできます。その商品を使っていた本人に直接質問することができるので,細かい傷や付属品の有無も確認できます。なお,ニュース等で言われているように,オークションでも多くの詐欺事件が起きています。前金で送金する場合には特に注意が必要です。





 さて,それでは今回私が購入した方法を紹介します。まず,中古品ショップに行きました。そこには多くの中古Macが置いてあります。それらをながめていると,中古品の相場がだいたい分かってきます。また,ショップでは店員さんに(いやがられるくらい)いろんな質問をしました。本で読んだりネットで調べたりしただけでは分からなかったこともしっかり理解できました。

 しかし,ここですぐに買ってはいけません。相場が分かったところで,ネット通販ショップとオークションでの値段を調べてみます。ホームページにアクセスします。中古品ショップの店員さんからいろんなことを教えてもらったので,ホームページに書かれていることが前よりよく分かります。ちょっと進歩を実感!。

 中古品ショップとネット通販ショップとオークションでの値段を比較してみると,こんな感じでした。


   中古品ショップ = オークション > ネット通販ショップ


 もちろん,どんな商品でもこうなると言えるわけではありませんし,今回と同じ商品であっても,別のときに比較すると違う結果になる可能性もかなり高いと思います。

 ともかく,今回は,あるネット通販ショップに希望する商品がいい値段で出ていたので,これを第1候補にすることにしました。しかし,このネット通販ショップ,今まで見たこともきいたこともないショップです。マンションの一室で商売をしているようで,規模もあまり大きくなさそうです。果たして信頼できるショップなのでしょうか。中古品にはメーカーの保証はありません。ショップの信頼性は新品を買うときよりも大切なのです。

 ショップが信頼できるかどうか確認する意味も含めて,その商品に関する質問をメールで送ってみました。マニュアルなどの付属品はあるのか,メモリの増設を頼むといくらかかるのか,という質問です。すると,次の日には早速回答が来ました。回答内容は適切で文章も好感が持てるものでした。さらにこのショップのホームページには,ちゃんと店の名前,代表者の氏名,住所,電話番号,そして中古品の売買に必要な公安委員会が発行している「古物商登録番号」も載っています。このショップなら安心して購入できそうです。早速注文のメールを出し,お金を振り込みました。





 お金を振り込んだ次の日の午前9時少し前,ドアのベルが鳴りました。ドアを開けると大きな箱を持った宅配便の人が立っていました。Macが届いたのです。箱を受け取ると,印鑑をしまうのも忘れて早速箱を開けました。すると箱の中には,ちょっと汚れているけれどかわいいかわいい私のMacが,プチプチに包まれて艶めかしく横たわっていました(すでに私もちょっと危ない人?)。





 今回は比較的いいショッピングをすることができました。ネットや本,そして実際に店に行って得られた情報を使って適切な商品を選び,また相場を知り,そして最も安いショップで購入する。もちろん購入する前にはそのショップが信頼できるかどうかの確認をする。これらが実行できたショッピングでした。届いた商品にも満足しています。

 そしてネット通販の便利さをあらためて実感しました。ネットで商品を探してメールで問い合わせをして注文して代金を振り込んだらすぐに商品が送られてくる。代金の振込もインターネットで行えるので,部屋に居たまま商品探しから購入・受け取りまで行うことができるのです。時間や相手の都合を全く気にせずに商品探しや問い合わせができる。本当に手軽で便利です。このネットを使ったお手軽で素早い買い物,もっと頻繁に利用したくなってしまいます。

 一方,これだけ便利になってくると,ちょっとしたことが気になってきます。今回気になったのは,銀行に払う振込手数料。数百円(+消費税)なのですが,ネットを使って電子データでピピッと素早く手軽にいろんなやりとりをしているのに,代金を振り込む(これだって電子データのやりとりのはず)段階になると手数料がかかってしまう。他の部分が手軽な分,ちょっと目立ってしまいます。この手数料やインターネットを利用するための通信費の問題等が解決すると,もっと電子商取引が発達する様な気がします。

 沖縄サミットでは盛んに「IT」という言葉が使われました。今後,電子商取引を活発にするための法整備や規制緩和等についていろいろと検討されるようです。それらの検討の中で,我々一般の利用者が便利とか不便に感じているのはこんなことだっていうこともしっかり扱ってもらえることを期待します。 

Written by 大坪 和久


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