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サイテックジャーナル
2000年9月16日号


本物の迫力


 シドニーオリンピック始まりましたね。開会式当日,たまたまついていたテレビで放送が始まり,結局最初から最後まで4時間全部見てしまいました。いい開会式でしたね。韓国と北朝鮮の入場には感動しました。日本のマントにも驚きました。

 ショーもよかったですね。ショーで,最初のパートの海を表した部分などは,スタジアム全体を立体的に使ったとても迫力のある演出でした。数百等の馬を使ったオープニングもすごかったですね。感動的でした。

 CG(コンピュータグラフィックス)を使えば,いろんな映像を作ることができます。実物よりも壮大な映像を作ることさえ可能です。しかし,やっぱり本物にはかなわない様な気がします。本物の威力ってすごいと思います。今回の開会式のショーだって,本物だからこそ感動できたのだと思います。本物の迫力をあらためて感じました。

 最近は映画でもCGが多用されていますね。確かにとてもリアルだし迫力もある。音だってすごい。実写では不可能な映像だって作ることができます。しかしどうしても,実写ほどには感動できないような気がしてしまうのです。迫力はあるのだけど感動まではいかないというような感じです。

 先日,20数年ぶりに映画「ベンハー」を見ました。この映画,1959年に公開された映画です。映画の中に,戦車競争のシーンがあります。ローマ帝国時代のレースで,4頭の馬に引かれる戦車を操って競技場を数周まわるという,スピードを競うレースです。この戦車競争,去年公開された「スターウォーズ エピソード1」のポッドレースのシーンによく似ています(というかスターウォーズがベンハーを意識している(と思う))。「ベンハー」の戦車のスピードは時速数十キロ,競技場のトラックは1周400mくらいです。これに対して「スターウォーズ」のポッドは時速800キロ以上,コースは1周数十キロ。規模は全く違うし,撮影技術も全く違います(40年分!)。ポッドレースの方が迫力があるはずなのですが,私はなぜか戦車競争の方に感動してしまうのです。

 映画に限らず,必要以上にコンピュータ頼ってしまうとあまりいい結果にならないかも知れません。コンピュータはあくまで道具ですから,道具としてうまく使っていくことが大切だと思います。

 IT(情報技術)を使えば何とかなるとか,インターネットを使えば事業がうまくいくとか,とにかくITを使えとか,そんなことを安易に思ったりしてはいませんか? それって結構危険なことです。使うことが自体が目的になってしまうと,よい結果は生まれません。

 もちろん,ITがとてつもなく大きな可能性を持っている道具であることは事実ですが。 

Written by 大坪 和久


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