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サイテックジャーナル
2000年10月19日号


停電こわい


 サイテックシステムのオフィスは神奈川県の川崎市にあります。今年の夏,この地域では雷雨がよく降りました。オフィスの近くにも雷が何度も落ち,ものすごい迫力でした。

 雷が落ちると,ときどき停電が起こります。停電が起こると,予約していたビデオの録画がされていなかったり,留守電や受信したFaxが消えてしまっていたり,電化製品に問題が起きることがあります。困りますね。そしてパソコンも停電に最も弱い機械の1つです。

 パソコンを使っているときに停電が起こると,もちろんパソコンの電源は切れてしまいます。このとき,フロッピーディスクやハードディスクに保存していないデータはすべて失われてしまいます。例えばワープロで文章を書いている途中とか,メールを書いている途中に停電が起こると,保存していない書きかけの文章はすべて消えてしまうのです。

 一番簡単な対策は,文章等を書いているときにこまめに保存することです。フロッピーディスクやハードディスクに保存したデータは,停電が起こっても消えません。また,停電に関係なく,パソコンは使っている途中でよく固まって動かなくなってしまうものです。文章や絵を描いているときなどは,こまめに保存する習慣を付けましょう。

 ハードディスクなどに保存したデータは守ることができます。しかし,これで完璧ではありません。最後に保存した後に書いたり編集したデータは消えてしまいます。また,停電はパソコンの故障の原因になってしまうことがあります。例えば,データをハードディスクに書き込んでいる途中に停電が起こったりすると,ハードディスクに誤ったデータが書き込まれてしまったり,場合によっては,ハードディスクを傷つけてしまうこともあります。

 いずれにしても,パソコンにとって,いきなり電源が切れるということは,非常にストレスを感じてしまうことなのです。


◆UPSを使う

 これではパソコンがかわいそうです。守ってあげましょう。「UPS」という装置を使います。「UPS」とは「Uninterruptible Power Supply」の略で,日本語では「無停電電源装置」と呼ばれています。これは,パソコンとコンセントの間に設置して使うもので,中には充電式のバッテリーと充電器等が入っています。UPSの電源ケーブルをコンセントに挿し,UPSについているコンセントにパソコンの電源ケーブルを挿します。




 通常,つまり停電でないときは,コンセントから流れてくる電気はUPSを経由してパソコンに送られます。またそれと同時にUPSに内蔵されているバッテリーに充電されます。

 停電が起こると,コンセントから電気は流れてこなくなるのですが,バッテリーに充電されていた電気がパソコンに送られるので,パソコンはそのまま使い続けることができます。突然電源が切れるということはありません。

 UPSの種類によりますが,バッテリーは数分程度しか持ちません。この間にデータを保存してパソコンの電源を正常に切ればいいのです。停電が起こると,自動的にデータを保存してパソコンの電源を切ってくれるUPSもあります。これなら人間は何も操作をする必要はありません。企業のオフィスなどで24時間動き続けているサーバー(これもパソコンの一種)等には,このタイプのUPSを取り付けるのが常識となっています。

 このUSPを取り付けておけば,停電を恐れる必要はありません。


◆もっと手軽にUPS

 UPSを付ければいいと言っても,新たに買うのはお金もかかるし面倒だし,だいたい置く場所がない(ちなみにUSPはバッテリーが入っているのでかなり重い),という人もいるでしょう。そんなあなたにもっとお手軽な方法をお教えしましょう。

 っていうか,お教えしましょうと言うほどのことではなく,実はあなたはすでに使っているかも知れません。そうです。ノートパソコンです。ノートパソコンにはバッテリーが内蔵されています。コンセントに挿しているときには自動的に充電されていて,コンセントから抜くとバッテリーで動きます。

 コンセントに挿して使っているときに停電が起きても,バッテリーに切り替わるだけで電源は切れないのです。これって,まさにUSPなんですね。ノートパソコンにとっては,停電なんてこわくないのです。

 これって便利ですよね。デスクトップパソコンにも,小さくていいので停電用のバッテリーを内蔵すればいいのに,と思うのはわたしだけでしょうか。これなら電源ケーブルに足を引っかけてコンセントから抜けてしまってもデータは消えません。ペットを部屋で飼っている人も安心です。


●参考ホームページ
   http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/990423/key74.htm#UPS 言葉の解説
   http://www.apc.co.jp/ UPSで有名な企業

Written by 大坪 和久


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