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サイテックジャーナル
2000年11月13日号


インターネットでタダ電話


 「いつになったら教えてくれるの?」というメールを何通かいただいてしまいました。サイテックジャーナル2000年10月20日号で予告してからずいぶん日にちが経ってしまいましたが,インターネットを使って電話をかける方法を説明します。面白い話だから許してね。

 インターネットを使って電話をかけるにはいくつかの方法があるのですが,今回は最もお手軽なものの1つであるマイクロソフトの「MSN Messenger Service」というサービスを紹介します。このサービス,もともとはインターネットに接続しているコンピュータ同士で文字によるメッセージをリアルタイムで交換するためのサービス(インスタントメッセージサービス)だったのですが,だんだん機能が追加され,最近では,ファイルの送受信や音声を使ったコンピュータ同士の通話ができるようになっています。他にもいろんな機能がありますが,その中に,コンピュータから電話をかけるという機能があるのです。

 それでは実際にこのサービスを利用してみましょう。まずマイクロソフトが提供しているMSNのサイト(http://www.msn.co.jp/)にアクセスします。右側のメニューの中にある「MSN Messenger Service 開始 !」をクリックします。すると,MSN Messenger Serviceのページにジャンプし,サービスに関する簡単な説明が表示されます。ここに書いてあるように,現在のところ電話をかけることができるのは,米国とカナダだけです。日本国内の電話にかけることはできません。国際電話をかけることができるのに国内にかけることができないというのはおかしいような気がするかも知れませんが,いろんな理由で現在のところ米国とカナダ以外にかけることはできません。

 また,このページに書いてあるように「サービスは無料です」。早速利用してみましょう。

 「ダウンロード開始」ボタンを押すと,Passport取得に関する説明が表示されます。このPassportとは,MSN Messenger Serviceを利用するためのIDのようなものです。まだ取得していない人は,画面のメッセージに従って取得しましょう。説明にあるとおり,ここで取得するPassportは,無料メールサービスHotmailのメールアカウントと共通です。すでにHotmailのメールアドレスを持っている人は,あらためて取得する必要はありません。持っているアドレスがPassportになります。

 Passportを取得したら,画面の説明に従い,MSN Messenger Serviceソフトをダウンロードします。続いて,ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストールを開始します。途中でPassport情報を入力する画面も出てきます。

 インストールが完了し,いくつかの設定項目にこたえると,すぐにサービスを受けることができます。Passportを取得するとHotmailのメールアカウントも取得したことになるので,メールの画面が開いていると思います。このHotmailのメールアドレスは,無料メールアドレスとしてこれから自由に利用できるのです。

 メール画面の他に,MSN Messenger Serviceという画面が見えると思います(メール画面は閉じてかまいません)。この画面でメッセージのやりとり等を行います。また,ここで「電話」アイコンを選択し「電話番号をダイヤル」を選択すると,ダイアルボタンが表示され,ここから電話をかけることができます。



MSN Messenger Serviceの画面(左)と電話をかける画面

 早速電話をかけてみましょう。かけられるのは米国とカナダだけです。かける相手がいない場合は,どこか公の施設などにかけてみるといいかも知れません。ホテルに空室状況をきいたり,美術館に開館時間をたずねてもいいでしょう。もちろん相手はパソコンを持っている必要はありませんし,インターネットにつながっている必要もありません。普通の電話でOKです。

 私は,マンハッタンのワールドトレーディングセンターの近くにあるパソコンショップに電話をかけて,パソコンの値段をきいてみることにしました。画面の指示に従って,「1 + 市外局番 + 電話番号」を入力し,「電話する」ボタンを押します。すると「ピポパポピ…」とダイアル音が鳴った後,「トゥーーーーーーッ,トゥーーーーーーッ」というアメリカの長い呼び出し音が鳴り,「Thank you for calling ナンタラカンタラ……」と簡単につながってしまいました。

 回線の速度や込み具合にもよると思いますが,ISDN回線を利用した今回の場合,多少音が途切れるような感じがすることもありましたが,音は比較的きれいだったし,テレビの衛星中継のように音が遅れることもありませんでした。とてもスムーズに会話することができました(すいません。これウソです。スムーズに会話なんてできませんでした。でもそれはパソコンのせいでもインターネットのせいでもなく使う人間(私ね)の英語力のせいなのでご理解ください)。

 会話にはパソコンについているマイクとスピーカーを使うこともできますが,ヘッドセット(ヘッドフォンにマイクがついているもの)を利用すると話しやすいでしょう。パソコンショップ等で数千円で売っています。

 というわけで,今回ニューヨークに電話をかけてみたのですが,もちろん国際電話料金はかかっていません。かかったのはプロバイダ料金とプロバイダまでの電話代だけです。私の場合,どちらも定額制(一定の月額料金で何時間でも使いたい放題のサービス)を利用しているので,10分話そうが5時間話そうが新たな費用は発生しません。アメリカの知り合いと1日中話すなんて事も十分実現的なことなのです。いま遠距離恋愛するなら国内よりも日米間ですね。

 このインターネット電話,いろんな利用方法が考えられそうです。電話を使って会議をしたり,あるいは,ネイティブスピーカーと話ができるテレフォン英会話スクールなんてビジネスができるかも知れません。

 ところで,なぜ米国とカナダにしかかけることができないのでしょうか。日本国内にもかけられるとどんなにいいかと思ってしまいますよね。サービスを提供している会社が「net2phone」という米国の会社であるのが大きな理由だと思いますが,他にも色々理由がありそうです。

 日本にかけることができないことに関係しているかどうかは分かりませんが,日本における電話回線の利用については,最近新聞にも出ているように,いろんな問題がありそうですね。なかなか利用が進みません。その間にも海外では急速に利用が進んでいるわけで,このあたり,政府や企業の方にも,将来を見据えた施策を期待したいですね。

 とにかく,こんなタダ電話がすでに誰でも簡単に利用できる状況にあるのです(こんな便利なシステムがあまり知られていないのは不思議ですが)。知った人からしっかり使ってしっかり得しちゃいましょう。
   

Written by 大坪 和久


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