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サイテックジャーナル
1999年12月16日号


ネット通販 e-セイボ


  「最近サイテックジャーナルの発行間隔が広がりましたね。忙しいのですか?」というメールをいただきました。サイテックシステムの仕事は特に季節に左右されるものではないのですが,年末というだけでなぜか忙しいような気がしてしまいます。今年に限っては2000年問題対策という理由がないわけではないのですが。

 こんな年末にやらなければならない仕事があります。年賀状もそうですが,お歳暮もそのひとつです。今年,サイテックシステムでは,ネット通販を利用してお歳暮を贈ることにしました。その様子をレポートします。


■ネット通販でお歳暮

 この時期,ネット上にある各種ショップは,お歳暮やクリスマス商戦に力を入れています。大手百貨店などもネット上に店を出しています。以下はその例です。

伊勢丹 http://www.isetan.co.jp/
西武百貨店 http://www.seibu.co.jp/
東急百貨店 http://www.tokyu-depart.co.jp/
ダイエー http://www.daiei.co.jp/
高島屋 http://www.takashimaya.ne.jp/
マイカルグループ http://www.mycal.co.jp/
三越 http://www.only-you.co.jp/seibo/


 この中で今回利用したのは高島屋です。すべてのショップを詳しく比べたわけではないのですが,高島屋のショップには,普通のショップにはない便利なサービスがあったのです。それが気に入ったので利用することにしました。


■自分専用の便利なサービス

 高島屋のショップは「タカシマヤ バーチャルモール」といいます。このショップには,年会費無料のTVM会員という制度があります。特に会員にならなくてもショッピングをすることはできるのですが,会員登録することにより,お歳暮やお中元を贈るときに非常に便利なサービスが使えるようになります。

 そのサービスは,「TVMアドレスサービス」といいます。これは,各会員に専用のアドレス帳が用意され,そのアドレス帳にお歳暮などの送り先を登録することができるというサービスです。アドレス帳といってももちろん紙のアドレス帳が会員宛に送られてくるわけではありません。アドレス帳ソフトを自分のパソコンにインストールするわけでもありません。アドレス帳は,タカシマヤ バーチャルモールのホームページの中に用意され,各会員はその自分専用のアドレス帳に,自由に送り先を登録したり削除したり変更したりできるのです。

 一度アドレス帳に登録してしまえば,贈り物を送るときに住所などを毎回入力する必要はありません。2回目からは,送り先を指定する画面で,自分専用のアドレス帳から登録した送り先を選ぶだけでいいのです。住所や電話番号の入力は,結構面倒なものです。特に人の住所や電話番号を入力するときには,間違いがないか何度も何度も確認してしまいます。多くの人にお世話になっている人(私もです)は,いくつも入力しなければならないのでさらに大変です。そんなとき,このアドレス帳はとても便利です。


■その他の特徴

 今回利用したタカシマヤ バーチャルモールには,他にも特徴があります。サイテックジャーナル11月9日号12月2日号などで紹介してきたファンケルイー・ショッピング・ブックスでは,商品を注文してから受け取るまで,人と会話することはありませんでした。ホームページ上で注文し,メールで注文した内容を確認する,というものでした。

 これに対し,タカシマヤ バーチャルモールでは,注文はホームページ上で行ったのですが,注文の確認は電話で行われました。今回,注文した数日後に電話がかかってきて,その電話で注文した内容の確認が行われ,注文番号を伝えられました。

 電話がかかってくることが面倒だと思う人もいるかもしれませんが,すべてを人の声を聞かずにメールだけで行うのは心配だという人も多いと思います。そのような人には安心できるシステムかもしれません。

 また,クレジットカードの利用についても少し特徴があります。サイテックジャーナル11月1日号2日号で紹介しましたが,ネット通販でクレジットカードを利用するには,まだ多少危険が伴います。危険の理由は大きく2つあり,1つはインターネットのセキュリティーの問題です。ホームページ上で入力したクレジットカード番号は,インターネットを経由してショップに届くのですが,この番号がインターネットを流れている間に第三者に盗まれる可能性があるという問題です。この問題については,暗号化技術等を適切に採用しているホームページでは,それほど簡単に盗まれるということはなく,あくまでも盗まれる可能性がある,という状況になってきてはいます。

 もう1つはショップ側の問題です。クレジットカード番号を受け取ったショップが,その番号を悪用するという問題です。これはインターネットとは直接関係のない問題なのですが,インターネット上のショップが入手したクレジットカード番号を悪用したり,第三者に売ったりするということが実際に起こっています。未確認の情報ですが,米国では入手したクレジットカード番号などの情報を第三者に売買することは特に違法ではなく,1件30ドル前後で売買されているという話を聞いたことがあります。クレジットカード番号を伝える相手先の信頼性が問題になってくるのです。

 ところで,大手百貨店などの中には,クレジット機能を持ったカードを発行している店があります。たとえば高島屋では,タカシマヤカードというカードを発行しています。今回はこのタカシマヤカードを利用しました。まさか自ら発行しているカードを悪用するようなことはないだろう,という考えからです(別に高島屋さんを疑っているわけではありませんのでみなさん誤解しないでくださいね)。確認したわけではありませんのでどの程度効果があるのかは分かりませんが,そのショップが発行しているカードを利用すれば,2番目の危険性がある程度回避できるような気がします。


■らくしてもお歳暮

 今までは,お歳暮やお中元の時期になると,デパートのお歳暮特設会場のようなところに行って,多くの人で込み合っている中人をかき分けていくつかの商品を見て,カウンターの列に並んで,やっと自分の番がきたら用意していた住所録を取り出してそれを1枚1枚書き込んだりしていました。一苦労です。あっという間に半日くらいかかってしまいます。

 それに比べて今回は楽でした。夜中にビールを飲みながら(失礼),キーボードをたたいて写真を見て選んで発注しただけです。いろんなショップを見てしっかり選んでも1時間もあれば済んでしまいます。本当に楽でした。

 今回お歳暮を送らせていただいた方がこのページを読まれるかもしれないので一応書いておきますが,苦労せずに楽して済ませてしまったからといって,1年間お世話になりましたという感謝の気持ちが少ないというわけではありません。その気持ちにかわりはありませんので念のため。ちなみに今回アドレス帳に登録したので次回はもっと楽させていただくことになりますが,それでも感謝の気持ちは少しも変わりません。念のため。 

Written by 大坪 和久


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